Google ブック・Amazonキンドルと日本の出版社のアンシャンレジーム1

 私のところにも、出版社から、グーグルの和解案に反対することにうんぬんという手紙が春から来ている。まあ、そうするって言うのだから、それでかまわないが、バカだな、と思う。

 どうやっても、著作権の電子化は避けられない世界の潮流だ。米国の著作権法で世界が支配されるのが許せない、とか言っている作家連中がいるが、日本の著作権法にしたって、自分のものとは思えない。著作権法を研究している者としては、正直なところ、本音と建前が乖離した日本の著作権法などより、ガンガンの裁判闘争で磨き抜かれた米国の著作権法で自分の著作物が保護され公開された方がありがたい、と思う。

 だいいち半世紀前の戦争で負けたんだから、しょうがないじゃないか。そのうえ、かつての惰眠党と同じで、日本の著作権法は、出版社や音楽出版社の方ばかり向いて、作家やアーティストをさんざん軽視してきた。いずれひっくり返されるのは、これまた必定だろう。

 Googleブックの印税率なんか63%だ。それも完全個別の電子管理で。日本は、かつて刷りに対し10%、しかし近年は実売10%の半年後払い、無名作家だと出版不況を理由に6%なんていう話も聞く。そのうえ、作家から定期的に請求しないと、しらばっくれている出版社も多い。何度も請求したって、無視して踏み倒すところさえある。まして、音楽なんか、某蛇巣絡さんが、わけのわからない包括販売してしまうから、アーティストにはまともに分配金が還元されない。これでは、日本の出版社や音楽出版社に義理立てするにも、限度がある。

 いまは、まだ既存の本の著作権の話だから出版社が騒いでいるが、いずれgoogleだのamazonだのが、独自に新刊を「出版」(印刷なしの、著作そのものの電子販売)して、世界配信してくれるのなら、そこにお願いしようという作家やアーティストが殺到するのは、目に見えている。その国際販売力は、ルーチンワークに安穏としている東販・日販の比ではない。そうなると、もはや日本の旧態然たる出版社もまた、蚊帳の外に放り出される。

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