景観審議会委員のこと

 今日はわざわざ役所の人が研究室にまで来てくれた。来期の委嘱の御相談だそうだ。しばらく御無沙汰にしていたので、恐縮至極。

 けっこういろいろな委員を頼まれる。が、ひどいのになると、まったくのタダ働きで、出入りの広告代理店にアイディアだけとられてしまったり、こっちの話をいいようにねじまげて利用されたりして不愉快な思いをすることもある。そんな中で、景観審議会というのは、やりがいがある。何期か務めさせていただいているが、地域の美観を守っている、という実感があるからだ。以前より法的な裏付けもできて、悪徳業者に対抗する力もある。

 べつに極端な環境主義者でもないし、やたら開発に反対するわけではない。街がよりよく開発されるのは、むしろいいことに決まっていると思っている。だが、悪徳業者というのは、地域指定の隙間に、合法不適格となる巨大マンションを建てて売り逃げをしようとたくらんだりする。たとえば、緑地公園に供出するふりをしているのだが、じつはそこはもともと都市計画にひっかかっており、いずれそこが道路になると、そのマンションは、なにかあっても再建不可能となってしまうのだ。

 こういう業者に限って、インチキ図面を出してきて、これだけ我々は当初の計画を縮小しました、とか言う。ところが、私は幸い建築図面が読めるので、それがむしろ逆に実際計画の図面を拡張したものであることが見抜けてしまう。上下階との柱のとりあいがおかしい、とか、水回りの配管がムダだ、とか、そんなのが当初計画であったはずがない。また、昨今、駐車場も、よく調べないといけない。平面図だけでわからないようになっているが、じつは圧迫感のある巨大なタワー式の駐車場が林立して、近隣にいくつもの不安定な長い影を落とす、なんていう、ひどい計画だったりする。こういう問題は、モデルルームではわからない。だいいち悪徳業者が正直に客に話すわけがない。

 東大のある先生がおっしゃっていた。頭が良いということは幸運だ。相応の教育支援も与えられる。しかし、だからこそ、それを私利私欲のために使うのではなく、社会に還元しなさい、と。知り合いには、官僚になって私服を肥やし、有罪になったやつもいる。企業弁護士で年俸1億というやつもいる。一方、同じ弁護士でも、いわゆる町弁で、自転車で相談者のもとを走り回っているやつもいる。人は人、自分は自分。まあ、自分にできることを誠実に行おう。


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