ピンクの象とメイソンリー2

 1941年と言えば、すでに第二次世界大戦の泥沼化は必至だった。アメリカ政府は、ディズニーに国策への協力を要請した。しかし、それは、プロパガンダ映画のためか。それなら、当時、落ち目のディズニーなどより、ディズニーを辞めた連中が作ったシロアリハウスの方が量産能力があったはずだ。

 そのうえ、ウォルト・ディズニー本人は、極右共和党員、つまり、アメリカン・ファシストだった。ファシストやナチズム、国粋主義というのは、べつにイタリアやドイツ、日本だけのものではなく、当時はイギリスやフランス、オーストリア、アメリカなど、連合国側の中でも、反共主義・拡大主義として、同じくらいの力を誇っていた。ただそれが反ドイツの国民的団結ということで、見えなくなっていただけだ。

 しかし、先述のように、『ダンボ』はウォルト・ディズニーによるものではなく、別働隊による制作の中にあって、とくにピンク・パレードのシーンだけは、プルートのハエ取り紙シーンで有名な、主力隊筆頭の天才的アニメイター・ノーマン・ファーガソンの監督によるものだ。

 当時の大統領は、フランクリン・ルーズベルト。ロバの民主党だ。一方、象と言えば共和党を表す。それは、サンタ・クロースのキャラクターを作った、かの新聞マンガ家トーマス・ネストが、1974年の政治状況をからかったことに由来する。ネストは、シェイクスピアだったか、フランシス・ベーコンだったか、(ほんとうはイソップ=アイソーポス) と言って、こんな寓話を紹介する。ライオンの皮を被ったロバが、吠えまくって、恐れをなす象などの動物を引きつけている、と。

 この話には元があって、この直前の9月9日に、ニューヨーク・ヘラルド紙が、多数の目撃者による情報として、セントラルパーク動物園から猛獣たちが逃げ出し、数百人が惨殺された、との、まったくの与太記事を飛ばしていた。それは、当然、マルクス共産党宣言の「妖怪」を連想させる。つまり、ネストのマンガは、共和党の最悪の軍人大統領グラントの独裁を批判しながら、その背景の外圧(当時のプロシア共産主義)のいかがわしさを指摘するものとなっている。

 これを踏まえて、ファーガソンらがエレファンツ・オン・パレードを作ったとなると、それは、極右共和党員である社長のウォルト・ディズニーに対する当てこすりにほかならない。


純丘曜彰ブログ速報版はこちら:http://sumioka.justblog.jp/blog/