書籍のカバーと表紙の作り方

 表紙、と言えば、本体の束の表紙のこと。いわゆる表紙は、カバーと言う。まず、背幅の出し方。使う紙によって違うが、標準は1枚0.13ミリ。したがって、ページ数の半分に1枚の紙厚をかけたものが束厚になる。並製(束が表紙に直接に糊付け)の場合、これに見返しが前と後につくので、その+1ミリが表紙の背幅。+2ミリがカバーの背幅。上製(堅い表紙)の場合、表紙で+3ミリ、カバーも+3ミリ(背と袖の巻き込みがあるので)。表紙幅も+3ミリになる。

 作るべきものは、カバー、帯、本体表紙(いずれも中心トンボ、裁断トンボ、折りトンボがあること)。カバーと帯については、それを付けた状態と取った状態の見本(折り線入り)を別に作ること。

 本体紙面同様、裁ち切りは標準で周囲3ミリ。したがって、四六版並製の場合、袖80ミリ+表紙幅128ミリ+背幅+裏表紙幅128ミリ+裏袖80ミリで、周囲に3ミリがつく形になる。背幅が何ミリにせよ、4ミリグリッドを下に敷いておくと、諸般の計算が楽。

 カバーの場合、裏に白地バーコードが入ることを前提にデザインを考えること。並べ方は自由だが、わかりやすいことが大切。また、帯の有る無しで、印象が変わるので、うまく調整する。とくに帯に何色使うか、で、デザインは大きく制約される。

 どうせカバーに隠れて本体表紙は見えない、などと、あなどってはいけない。図書館では、カバーは捨てられる。多くの人にカバーで売るだけがデザインではない。図書館を含め、末永く読んでもらえるよう、本体表紙まで手を抜いてはならない。また、本体表紙の背は、本として整理しやすいよう、読みやすい書名、著者名、出版社名を入れる。ただでさえ薄くて読みにくく、すぐに褪せてしまう蛍光色インキの本体表紙など、あまり好ましい色遣いではない。

 帯幅も自由だが、裏(右)袖端隅に書籍タイトルを入れておくこと。そうでないと、その印刷物が何の本の帯だかわからなくなる。

 折り線トンボは、難しくない。まずインデザインないしイラストレーター上で版下を作ったら、新規レイヤーで、裁ち切りまで白地を敷いておく。これを、PDFX1aのトンボ付で出力。版下に周囲30ミリを足した新しいドキュメントに先のPDFを配置(読み込み)。新規レイヤーを下に引いて、これに線幅0.1ミリで、表紙幅と裏表紙幅の四角を作る。すると、裁ち切りの外だけ、線が引ける。

 印刷する人、製本する人は、ほかにも多くの本を同時に同じ場所で創っている。作っている本人は、それだけを扱っているので、自明であっても、現場の分業ではバラバラになってしまうことが多い。人にわかるように作るように心がけること。また、出版社や印刷所ごとに、シリーズとしての慣例がある。あまり厳格に規定せず、細部は出版社側、印刷所側が調整できる余地を残しておくこと。