淡青と懐徳

 というのは、東大の雑誌なのだが、数年来、やたらしばしば来る。最初はぱらぱらと見たが、いったい何がしたい雑誌なのか、さっぱりわからん。『淡青』なんか、「小宮山ディレクション」とか言って、総長の写真ばっか。ファッションモデルかなにかと勘違いしているらしい。一方、『懐徳』っていうのは、赤門学友会(東大同窓会)の雑誌だが、安田講堂で中曽根じいちゃんによるニッポンの進路という基調講演があるから来い、それと、総長主催のパーティに招待して特別名誉会員の「称号」をやるからカネを寄付しろ、って。うーん、なんかやっぱり思いっきり勘違いしているなぁ。で、こういうクレクレ詐欺みたいな雑誌は、ゴミ箱へ直行便。

 成城の方もやたら近頃、同窓会に力を入れて雑誌が来るのだけれど、べつにいま自分の子供が通っているわけでなし、あっちこっちに新しい建物がたちましたっていう話と、おじいちゃんやおばあちゃんたちのクラス会の写真と、やっぱり、カネを寄付してくれ、という振込用紙で、いったいどこまで自己中心なのだか。

 まあ、組織というのは、どこでも自己中心的にならざるをえないもの。しかし、それは、あくまで組織の内部の論理で、対外広報部門は、相手の立場で話ができないといけない、くらい社会の常識だと思うのだが。うちの社長さまは、いまいらっしゃいません、みたいな敬語の初歩的なまちがいと同じことを繰り広げているようでは、学校として恥ずかしくないのだろうか。

 根は、若者人口が減ってしまったから、卒業生たちをリサイクルしてまたカネを稼ごうという魂胆なのだろうけれど、若者だって、「おいこら、おまえら、学生ども」なんて話し方では学校に来てくれない時代なのに、いくら卒業生ったって、いまさら出身学校に、こんな自慢たらたらの雑誌を送りつけられても、バカだなぁ、の一言で終わってしまう。まあ、それがわからないから、こうやってムダなことを続けているのだろうが。連中には、「いまなら同窓生限定で校章付きプレミアム・エコバッグが1000円で!」っていうくらいの、時代にあった客集め、カネ集めの智恵すらもないのか。

 ようするに、サブプライム投資の株屋に続き、今度は広告代理店にもだまされて、学校がそうとうに巻き上げられているのだろう。ほんとうに世間知らずの良いカモだ。代理店からすれば、学校がクライアントだから、目先の金儲けのために、クライアントの御大の方だけをヨイショするに決まっている。それでいい気になっていても、客は増えない。それどころか、逃げ出す。しつこく寄付をクレクレと言うのがわかっているのだから、いくら懐かしい同窓会だって、近寄りがたくなる一方だ。それにしても、東大で『懐徳』はないだろ。こういうまぎらわしい雑誌名をつけて平気なのも、自己中のなせるワザなのだろうが。