ドイツの今年のヒット曲:シュヌッフェルの『クッシェル・ソング』

ドイツで今年どんな曲がはやったかというと、ダントツでこのSchnuffelのKuschel Song(すりすりソング)。シュヌッフェルは、昨年の暮れに、ヤンバというベルリンの携帯ダウンロードサイトが作ったオリジナルCGキャラクターで、もともとは呼び出し音画面の30秒しかなかった。それが大人気になると、2月にフルサイズの曲となり、テレビのVIVA(ドイツのMTVみたいなチャンネル)でミュージッククリップとして流され、レコードはもちろん、ぬいぐるみまで売り出されるようになる。そのぬいぐるみは、今年、あちこちの祭りのクジ引き景品でも大人気だった。

その後、同じ仕掛けで出す曲、出す曲が当たり続け、この年末もクリスマス・ソングが大ヒット。CGも、最初のころのテカテカした感じから、フカフカした感じにクォリティアップしている。まあ、目がでかくて、ウルウル、なんて、あざとい、と言ってしまえばそれまでだが、どんくさいCGばかりのドイツにしては、かなり出来がいい。

このほか、東京ホテル、というアイドルロックバンドが若い子に人気。もう少し下の年代では、ディズニーの、ハイスクール・ミュージカルが絶大な支持を集めている。逆に、もう少し上では、ディーター・ボーレン(54歳)が、プロデューサーやタレントとしてだけではなく、しぶとく現役シンガーとしても活躍。若手のマーク・メトロックと組んで、「You Can Get It」や「Summer Love」など、縦ノリ曲を当てている。ドイツやオーストリアでおっそろしく国民的に根強い人気があるのが、ハンシ・ヒンタージーヤーで、ボーレンと同じ54歳。ドラマにも自分自身の役として出てくるような、アルプスの山で白い歯の輝く永遠の若大将。

ドイツの曲は、概して全部、ウンパ、ウンパ、ウンパ、ウンパ、という縦ノリばっか。複雑にずらしたリズムはない。R&Bはもちろん、三連符スィングすらない。ひたすら、ウンパ、ウンパの縦ノリ後打ち。日本のビーズみたいだ。ディスコビートというより、それがドイツの土着のリズムで、ポルカとかヨーデルとかにも共通する。ようするに、小学校の運動会音楽みたいのがほとんど。もちろん、それ以外もないわけではないが、そういうのは、国民的大ヒット、とはならない。

ここ数年で人気なのは、DJエッツィ。日本で言うがっかりマークのÖTZiだ。ヒンタージーヤ-と同じくオーストリア出身。でも、エッツタールではなく、もっとドイツに近いところ。ポジティヴシンキングのお祭りの音頭取り屋さんで、「ハンバーガー・ソング」のようなオバカダンスでも子供に絶大な人気。まともな曲でも実力派の歌手で、昨年はニックPと組んで「Ein Stern(あなたの名のついた星)」が大ヒットした。今年はディーター・ボーレンと組んでいるからすごい。

ドイツの音楽、というと、クラシック、せいぜいテクノポップを思い浮かべがちだが、ドイツのポップミュージックは、まったく違う。こういうふつうの話って、もっとちゃんと日本にも紹介されるべきだと思うのだけどなぁ。