ドイツのテレビのネットワーク

所用でケルンへ。ここには、WDRがある。建物は巨大なくせに、スタジオは意外に小さかった。しかし、ここで夜のローカル放送などをやっている。

 ドイツのテレビのネットワークは、ややこしい。公共放送としてARDグループがあり、地方のSWRやWDRは、これに属している。しかし、実際の放送は、ARD自体が第一チャンネルを持って24時間放送をしており、それぞれの地方局も、それぞれの地方だけでなく全国に向けて24時間放送をしている。つまり、たとえばここマインツでは、ARD第一チャンネルや地元のSWRはもちろん、NDR(ハンブルク)、WDR(ケルン)やHR(フランクフルト)やBR(ミュンヘン)などがいつでも見られる。そのうえ、ARDグループは、ZDF第二チャンネルや、3SAT衛星第三チャンネル(スイス・オーストリアを含む)も持っている。また、フランスとくっついているARTEという硬派チャンネルや、KIKAという子供チャンネルもARDグループだ。

 この巨大なドイツの公共放送ARDグループに対抗するのが、ヨーロッパをまたにかけるルクセンブルクの民放局RTLグループで、RTLIIやSuperRTL、外国との互換企画を得意としている。また、買い付けものの多いVOX、ニュース専門局n-tvも、このグループだ。

 日本のテレビ局と感覚的にも近いのが、ドイツ国内の民放SAT1で、ベルリンを中心にワイドショーやテレフィーチャーなどを手がけ、米国ものの多いPro7やドキュメンタリーショーの多いKabel1、ニュース専門のN24とファミリーを組んでいる。

 第四チャンネルを名乗っているのは、ダスフィールテという米国NBC系だが、これは、古映画ばかりで話にならない。

 この他、日本のケーブルチャンネルみたいなのが、ごちゃまんとある。そのうえ、マインツ市のローカルテレビ局OKなんていうのまで。

 こんな多チャンネルで、たいしてCMもないのにどうして成り立っているか、というと、番組に無駄ガネをかけないから。大半の番組が、買い付けものか、数年前のテレフィーチャーの再放送、あとはカメラ一つで撮ったようなチープな番組。ARDグループにしても、RTLグループにしても、どこかのチャンネルで流したものを、すこしあとに別のチャンネルで流していたりする。それどころか、同じチャンネルで、夜と深夜に同じ番組を再放送している。ときおり、タレントオーディションショーのような戦略企画ものがあるが、7週にわたって、そのバックステージまで、グループ計で週6時間くらいに水増し再編集して流す。まあ、テレビなんか、こんなものでもべつに困らない。