科研費の季節

 科研費の季節だ。また今年も、変な書類を作らないといけない。電子申請の表紙をプリントアウトとして、研究計画をくっつける。

 なにが変か、というと、ホチキス止めは禁止されているのだ。両面印刷して、その全ページの縁を糊付けして重ねていかなければならない。学内用も入れると、かるく百回を越える。そのうえ、糊がはみ出てきてあちこちにくっつく。

 助手がいる理系の先生などは、それにやらせているのだろうが、私は自分でやるしかない。だいたい、たとえ助手がいたとしても、そうイヤなことを人にやらせるようなのは好きではない。だが、それにしても、自分でもイヤだ。面倒だ。

 前は角に蛍光ラインマーカーで色を付けろ、なんていう指示もあったが、今年は無くなったようだ。それに、研究期間が3年以上に延びた。私などは、短期集中型なので単年度の方がよいのだが。

 科研費ではないが、別の助成で、出国証明書と向こうの国の入国証明書、そして、向こうの出国証明書と、日本の帰国証明書、さらにパスポートのコピーを出せ、という規定がある。どれかひとつでいいだろう、と思ったら、最近、科研費の不正で、日本を出て、別の国へ行き、すぐ帰ってきて、また、ちょっと遊びに出て、予定どおりに再入国した、というのがあったそうだ。つまり、科研費キセルだ。日本でふつうに暮らしていたくせに、海外滞在中扱いで、規定宿泊費を大学から引っ張り出していたというわけだ。

 だが、国内出張で、学会に1週間、とか、嘘くさい話はよく聞く。どこの学会が1週間もぶっとおしでやっているものか。しかし、それこそ、パスポートがあるわけでなし、現状では、学会プログラムの提出もなく、ノーチェックだ。だいたい、科研費の大半が、旅費で消えている現状に、文科省はなんの疑問も持たないのだろうか。告発窓口なんて言うが、そんなこと、返り討ちが恐くて、この狭い業界で、だれもできないよ。