【魂の浄化 カタルシス】【死の練習 melete thanaton】

プラトンパイドン』)

 哲学とは、死の練習、準備である。魂が天上界に戻るには、一生の間、自分から肉体と協動せずに、肉体を避けて、自分自身の魂へ集中し、清浄な状態で肉体を離れればこそである。

 ところが、肉体という牢獄は、人間の肉体的欲望、情念を利用することによって、捕らわれている者自身がすすんで自分を束縛するよう、協力させるような仕組みになっている。

 しかし、《哲学》は、そのような魂を肉体から遠ざけ、魂を浄化してくれるのである。というのは、魂が純粋に自分だけで何かを考察する場合には、魂は知恵としてあの〈真実在〉へとおもむき、そして、そのような存在と同族であるがゆえに、もはや情念に動かされてさまようようなことをやめ、それとともに常に同一にして不変な状態を保つことができるからである。

 それゆえ、我々は、この肉体の牢獄の巧妙さを知り、哲学によって魂を浄化して、いつも死でもよいように、死を準備、練習しておかなければならない。