【「万物は神々に満ちている。」】

タレス

 《物活論》的な自然観を表したテーゼ。しかし、ここで言われる神は、もはや神話的な擬人的自然観ではなく、あくまで、自然に内在し、自然を変化発展させる力能のアナロジー(比喩)であり、汎神論的なものである。つまり、当時の〈自然(フュシス)〉とは、今日のように、〈死せる物質〉に構成された機械なのではなく、まさに、みずからかく成る力能をすべての部分に秘めた〈生きた物質〉なのである。そして、宇宙全体も、言わばひとつの生命体として生きたものと考えられたのだ。

 もっとも、この言葉そのものはタレスによるものではないとされることもあるが、いずれにしても、彼らの自然観を最も代表的に言い表している言葉であると言えよう。