A ミレトス派

 小アジアの植民ポリスのミレトスで活躍したタレス、アナクシマンドロスアナクシメネスの3人を《ミレトス派》と言う。彼らが《哲学》の始祖とされるのは、アリストテレスが『形而上学』Α-3~7において、彼以前の哲学の歴史を簡潔に論じており、この叙述に基づいてであるが、実際、彼らは、初めて哲学的な〈アルケー〉への問いを立て、それを探求したがゆえに、哲学の実質的な端緒を開いたからでもある。彼らはたしかに〈自然〉を論じたが、それは近代の自然科学のように自然そのものを探求するためではなく、あくまで〈アルケー〉の答えないし答えへの糸口を自然に求めるためだったのである。