古代1 ソクラテス前(~BC400) アルケーの探求1

時 代 背 景

 紀元前十二世紀ごろからギリシア半島に南下してきたギリシア人(ドーリア人)たちは、地中海原住民たちの文化を破壊し、しばらく文化の「暗黒時代」が続いた。また、彼らの持ってきた鉄器などによって生産力の向上するとともに身分差が生じ、彼らの平等な部族制は、政治権、軍事権を独占する貴族たちを核とする集住へと再編成され、これが個々に独立の国家機能を持つ〈ポリス〉となっていった。さらに、このような〈ポリス〉は、対岸の小アジア(トルコ)やイタリア半島などに分市し、さかんに植民活動を行った。かくして、商工業、貿易が発達し、また、武器も安く調達できるようになって、平民の地位も向上し、財産次第で参政権を得、さらには、貴族政権を倒して民主制に移行するポリスもあった。

 しかし、前五世紀前半、オリエント(西アジア)側で勢力を拡大してきたペルシアが、小アジアの諸ポリスを支配下に入れたため、《ペルシア戦争》が起こった。ペルシア軍は、数度、ギリシアにまで遠征してきたが、諸ポリスは連合して、かろうじてこれを撃退した。

 前五世紀半ば、ポリス〈アテネ〉を中心として、ギリシア諸ポリスは対ペルシア防衛のために軍事同盟を結んだが、アテネはこの同盟の資金を流用して自都市を再建し、また、純粋アテネ市民だけの独善的な民主化を進めて繁栄をきわめた。